こんにちは。
セルフメンテナンス協会の長沼敬憲です。

毎年秋の恒例、ローカリゼーション&スローライフの提唱者、
文化人類学者として活動をつづける
辻信一さんと行くツアー、ことしも開催が決まりました。

今回の舞台は、岐阜県の飛騨市
10月10日(金)から12日(日)までの3日間、
飛騨古川の町並み、山里の原風景が残る種蔵、
縄文文化と石棒信仰が息づく宮川、そして最先端の宇宙物理の世界にふれるカミオカラボ。。。

「関係人口」

をキーワードにローカリゼーションの新しい波を生み出している
飛騨市のさまざまな土地をめぐりながら、人と風土とのつなかりを再発見していきます。

辻さんとはこれまでも日本各地を旅してきましたが、
今回は僕が二年にわたって企画・編集にたずさわってきた

書籍「飛騨発つながりづくりイノベーション」

を入口に、著者の一人である飛騨市長・都竹淳也さんをはじめ、
関係人口のプロジェクトにかかわってきたユニークな人たちとの出会いを重ね、
人と人、人と地域、人と自然。。。
まさに「つながりづくり」が発酵していく
一般的なツアーとは一味違った時間を満喫していく旅になります。

飛騨古川
種蔵
カミオカラボ

さて、肝心のツアーのプログラムですが。。。

10月10日(金)14時半、JR飛騨古川駅前に集合。

白壁の土蔵が美しく連なる通り沿いには、清らかな水が流れる瀬戸川があり、
造り酒屋、和ろうそく、薬草などの店が並ぶまち並みを
地元の方の案内でゆっくり歩きながら、土地の空気に身をゆだねていきます。

そして、16時からは本ツアーのオープニングイベントとして、
古川の会場にて、飛騨市長・都竹淳也さんと辻信一さんによるトーク・セッションを開催。

観光でも移住でもない、新しい“かかわり”のかたちとして
飛騨市が取り組んできた「関係人口」の実践。
その最前線に立ってきた市長と、ローカリゼーションの思想を世界に広めてきた辻さんが、
この土地の未来に何を見ているのか?
そんな問いを、旅の冒頭で参加者みんなで共有する時間になります。

(こちらは必見! 都竹市長が飛騨市の魅力を自然体で語っておられます。
2025年6月9日、辻信一さんとのオンライン・トークより)

トークのあとは古川にある「蕪水亭」で、
地元の薬草・食材をふんだんに使った薬草会席を堪能。

この日は、天然温泉のある宿でゆっくり休息。
飛騨の木材を使ったぬくもりある空間で、旅の一日目を静かに締めくくります。

薬草会席

薬草会席
天然温泉(季古里)

2日目の朝は、宿からほど近い朝霧の森を散策し、
飛騨の森の恵みを感じながら、五感をひらいていきましょう。

その後、鉱山町として文化を育んできた神岡地区へ移動、
昭和レトロな面影のまちを散策しながら、
最新の宇宙物理学の粋をあつめた「ひだ宇宙科学館 カミオカラボ」へ。
宇宙素粒子ニュートリノに関する研究で
2度のノーベル賞をもたらした「スーパーカミオカンデ」の
研究成果をじっくりと俯瞰していきましょう。

見学後は、併設している「道の駅 宙ドーム・神岡」で一休み、
中世の武家館を再現した「江馬氏館跡公園」にも足を伸ばしましょう。

神岡を堪能した後は、宮川地区へ向かい、
古き里山の風景が美しい種蔵集落を訪問。
石積造りの棚田が広がり、板倉が点在するこの集落で、
お弁当をいただき、現地の人たちと交流しながら、ゆったりとした時間を感じましょう。

その後、縄文の記憶の眠る「みやがわ考古民俗館」へ。
この地には古くから「石棒」という祈りの道具が数多く出土、
「石棒クラブ」を主催する学芸員の三好清超さんの案内で、飛騨の知られざる深層につながります。

宇宙物理学の最先端から、美しい里山、そして、縄文の痕跡と。。。
まさに歴史時間を縦横に旅した一日をたっぷりと楽しんだ後、
宿に戻り、夕食&辻さんを囲むお話し会を予定。
旅を通して生まれた問いや気づきを分かち合いましょう。


カミオカラボ
江馬氏館跡公園
種蔵
みやがわ考古民俗館
飛騨牛
朴葉味噌

3日目の朝は、ふたたび飛騨古川の町へ。
まず、ユネスコ無形文化遺産に登録された古川祭のお膝元、
あの大ヒットアニメ「君の名は。」の舞台の一つにもなった気多若宮神社を参拝したのち、
祭りの文化を伝える飛騨古川まつり会館を訪問。

ここから「飛騨市広葉樹のまちづくり」の流通拠点に
併設されている、古川町内の「森の端(もりのは)オフィス」を訪問。

地域内外の様々な人と連携し、飛騨の森の価値化に取り組んできた
「ヒダクマ」(飛騨の森でクマは踊る)
飛騨の広葉樹で建てたこの場所で、森を起点に開く地域の未来について、
代表の松本剛さんのお話を伺っていきます。

ヒダクマの取り組み、ビジョンはこちらをチェック!

その後、古川の町に戻ってランチをいただいたのち、
午後は、ちょうどこの日に開催されている
「薬草フェス」(全国薬草フェスティバル in ひだ 2025にも足を運びましょう。
そして、名残惜しさを感じつつ、JR飛騨古川駅に向かい、
15時00分に現地解散ーー。

気多若宮神社
薬草体験施設「ひだ森のめぐみ」
飛騨古川まつり会館
森の端オフィス
薬草フェスティバル

これまで繰り返しお伝えしてきたように、
大事なのは、いつもの日常を離れ、「空間に出る」こと。

意識は空間(地場)に影響され、時として一瞬で変容します。
しかも、その変化は感覚を共有することで、何倍にも広がり、日常も変えていく。。。

非日常の空間を共有し、遺伝子のスイッチを心地よい方向にオンしませんか?
琵琶湖をぐるっとめぐるゆっくりツアーで、実りの秋を一緒に体感していきましょう!

●ツアー概要
開催日:2025年10月10日(金)〜12日(日)
募集人数:11名様(現地発着型プラン)
ツアー代金:おひとり様・158000円(無料会員)
ツアー代金に含まれるもの:宿泊代金、日程表記載の食事代金、貸切送迎車・チャーター船代金、国内旅行保険、消費税
現地案内:辻信一(ナマケモノ倶楽部代表)、長沼敬憲(セルフメンテナンス協会理事)
集合場所: JR飛騨古川駅前(岐阜県飛騨市)
*JR名古屋駅より特急「ひだ」で約3時間、富山空港からバス・電車で約2時間

●ツアー・スケジュール
1日目(10/10)
14時30分 JR飛騨古川駅前に集合
*ゆっくりと古川散策
16時00分 オープニング・イベント
*都竹市長&辻信一さんのトークを交えながら、
「関係人口」プロジェクトの全容をたどる
18時30分 夕食(蕪水亭)にて薬草会席
21時00分 宿泊(ホテル季古里)

●2日目(10/11)
7時30分 朝食
8時30分 朝霧の森散策(自由)
9時00分 ホテル発
9時30分 神岡のまち歩き 
10時00分 カミオカラボ見学
*道の駅 宙ドーム・神岡、江馬氏館跡公園
12時30分 種蔵集落訪問
*ランチ(お弁当)、集落の散策
14時30分 みやがわ考古民俗館見学
18時00分 夕食(ホテル季古里)
*辻さんとお話会

●3日目(10/12)
7時00分 朝食
8時00分 ホテル発
8時30分 気多若宮神社参拝
9時30分 まつり会館見学
11時00分 森の端オフィス訪問
13時00分 ランチ(福全寺蕎麦)
13時30分 薬草フェス見学
15時00分 JR飛騨古川駅にて現地解散

*タイムテーブルは目安になります。
*天候、交通事情などにより、コース変更の可能性もあります。ご了承ください。

●宿泊:
ホテル季古里(岐阜県飛騨市古川町)
http://www.hotelkikori.com

●お申し込み
info@selfmaintenance.org(セルフメンテナンス協会事務局)まで、
お名前をご明記の上、お申込みください。
*有料会員の方はLINEにてご連絡ください。ともに事務局よりご案内します。


辻信一さんプロフィール
文化人類学者、環境=文化NGO「ナマケモノ倶楽部」代表、明治学院大学名誉教授。1952年生まれ、1977年北米に渡り、カナダ、アメリカの諸大学で哲学・文化人類学を学び、1988年米国コーネル大学で文化人類学博士号を取得。1992年より2020年まで明治学院大学国際学部教員として「文化とエコロジー」などの講座を担当。またアクティビストとして、「スローライフ」、「ハチドリのひとしずく」、「キャンドルナイト」、「しあわせの経済」などの社会ムーブメントの先頭に立つ。『スロー・イズ・ビューティフル』、『常世の舟を漕ぎて』など著書多数。映像作品に『アジアの叡智』(DVDブックシリーズ、現在8巻)、「レイジーマン物語ータイの森で出会った“なまけ者”」(ゆっくり堂)など。最新刊は『ナマケモノ教授のムダのてつがく』(大月書店)。https://theslothclub.wixsite.com/tsuji

*これまで辻信一さんと、真鶴半島(2021年)、琵琶湖(2022、2023年)、舞岡公園(2024年)へ旅してきました。


●書籍紹介
『飛騨発 つながりづくりイノベーション
〜これからの関係人口を語ろう』
(都竹淳也、上田昌子、杉本あおい、杉野弘明/ハンカチーフ・ブックス)

東京都内から電車に揺られて4時間半。
岐阜県の最北端にある飛騨市に、いま、全国のあちこちから訪れる人が増えています。
飛騨市が運営している「飛騨市ファンクラブ」の会員数は、1万6000人!
市の人口が年々減少の一途をたどっているなか、
近い将来、ファンクラブの人口が飛騨市の人口を追い抜くと予想されています。

通常、人口減少と言えば過疎が進み、
高齢化によって若者の数が減り、目立った産業もない。
飛騨市も、そんな地方都市の一つであるはずですが……、

・地縁もないのになぜか人が集まり、リピートするファンが増えている。

・観光だけではない、多様な形で地域に関わる人たちと
住んでいる人たちとの間に交流が生まれ、
しかも、まちの「困りごと」が少しずつ改善されている。

・全国の倍以上のスピードで人口が減少し、
高齢化率は「30年後の日本」を上回っているのに、
まちには「健やかなエネルギー」があふれている。

この本では、飛騨市が過去8年に取り組んできた
「関係人口」を介した地域づくりの全容を、プロジェクトに関わってきた4人の著者が、

1 現場の実践者の目線
2 研究者の目線
3 リーダーの目線

という3つの目線から解き明かしていきます。

(本書の構成)
まえがき 「関係人口」を入口に、
「うれしい・楽しい・面白い」が広がっていく

第1章 全国の飛騨市ファンと目指す、新たな地域振興モデル(上田昌子)
第2章 飛騨市を変化させた、「関係人口」の実態とは?(杉本あおい)
第3章 開かれた人のつながりが、「地域のポテンシャル」を醸し出す(杉野弘明)
第4章 飛騨市の「空気」を変えるためにやってきたこと(都竹淳也)
第5章 「人」と「地域」のつながりが生み出す豊かさ=ウェルビーイングとは?(杉野弘明)
第6章 飛騨市が「関係人口」でエネルギー上昇したメカニズムとは?(杉本あおい)

あとがき 「関係人口」から「地域のウェルビーイング」へ