こんにちは。
セルフメンテナンス協会の長沼敬憲です。

去年10月の真鶴半島へのツアーに引き続き、
今年も「スローライフ」の提唱者で、文化人類学者の辻信一さんとのツアー開催が決まりました。

今回は10/21(金)〜22(土)、1泊2日のゆっくりツアー、
その舞台となるのは、辻さんのホームグラウンドの一つである滋賀県の琵琶湖周辺。
集合場所の彦根の城下町を起点に、湖東から湖北湖西へ。。。
古来、淡海(おうみ)と呼ばれ、日本史の表舞台、そして文化の発酵源として育まれてきた土地を訪ね、
琵琶湖ならではの自然・歴史・文化に触れていきます。

ツアーのきっかけは、辻さんと琵琶湖のゆるやかなつながり。

辻さんの兄である建築家の故・大岩剛一さん(ストローベイルハウスの提唱者)が
琵琶湖の湖西を活動拠点にされていたこともあり、現地に繰り返し足を運んでおられることは伺ってきました。

「琵琶湖畔をゆっくり辻さんと訪ねてみるのも楽しそうだな〜」

そう思って相談したところ、「いいですね〜、ぜひ行きましょう!」。
実際、現地をロケハンし、琵琶湖畔の多様な自然、文化、豊かに暮らす人たちに触れるなかで、
この土地の魅力を会員の皆さんと体感したい!と実感するようになりました。

とにかく、濃い、深い、広い。。。

さて、肝心のツアーのプログラムですが。。。

お昼の12時に、JR彦根駅に集合。

彦根は新幹線の発着地である米原駅から電車で3駅とほど近く、
近江鉄道に揺られながら、田園地帯をゆっくり移動するだけで早くも旅気分が味わえます。
集合場所の彦根駅から街の中心にある彦根城へは、車で5分ちょっと。
国宝の天守閣、築城当時の古い石垣が残るお城を中心に、のどかで、美しく整った街並みを体感しましょう。

城下町の大通り「夢京橋キャッスルロード」に到着したら、しばし自由時間。
「まちなか博物館」の「淡海の妖怪」展を見学するのもよし、
周囲を散策したり、軽食をとるのもよし。。。

旅のスイチッチが入ったところで、まずはお隣・豊郷町にある蔵元「岡村本家」へ。

鈴鹿山麓の伏流水と近江米からつくられた地酒「金亀」は、
精米歩合(原料の米の精米の度合い)が細かく分けれられた純米酒がずらっと並ぶ、通好みのラインナップ。
精米歩合100%の「玄米酒」もあり、希望者はお土産として購入するのもいいでしょう。
お酒が飲めない方には、地元の瓜を漬け込んだ、無添加の金亀漬け(奈良漬)もおすすめです。

岡村本家から向かう次の土地は、
SDGs、持続可能なエコ社会の先進地として知られる東近江エリア
まず、あいとうエコプラザ「菜の花館」を訪問し、
エネルギーや食を自給し、地域循環を目指す「菜の花プロジェクト」の現場見学をします。

この「菜の花プロジェクト」、
もとは合成洗剤をやめて、琵琶湖の赤潮(水質汚染)を改善しようという
1970年代の「石けん運動」からはじまったもの。
いまでは廃食用油からBDF(バイオディーゼル燃料)を生み出し、
地域で育てた菜種油を製造・販売するなど、
世界的にも注目される“環境にやさしい町づくり”が展開されています。

©️NPO法人愛のまちエコ倶楽部

琵琶湖の自然風土にふれるうえで、環境保全は外せないテーマの一つ。
環境運動家として「スローライフ」「ハチドリのひとしずく」「キャンドルナイト」など、
様々な社会ムーブメントの先頭に立ってきた辻さんとエコについて学ぶ、とても貴重な機会になりそうです。

琵琶湖と環境の関わりをゆっくり学んだ後は、
同じ東近江のレストラン「野菜花」(のなか)にて、地元食材をふんだんに使った晩ごはんを堪能。
夕食後は、お店で辻さんを囲んでお話会&対話会も開催します。

「ゆっくり生きるとはどういうことか?
頑張りすぎず、意識や行動を自分らしい方向へ変容させていく生き方とは?
風土と自己の循環をうながすライフスタイルとは?」


普段と異なる空間で語り合うことで、意識変容のスイッチも入りやすくなるはず。
時間のゆるす限り、ゆったり、じっくり対話しましょう。

対話終了後、辻さんの定宿の一つでもある「レイクランド彦根」にチェックイン。
一見、普通のビジネスホテル??と思いきや、
部屋の水道水もシャワーもすべてミネラルウォーター(深井戸の水)を使用。
全国名水百選に選ばれた「十王村の水」とおなじ水系で、「福満の水」と呼ばれています。
また、ベッドの下には地元産の竹炭を敷き、部屋の空気を浄化しています。

翌朝にいただく手作りの朝ごはんは、素朴ながら心がこもっていて、
「次もここに泊まりたいな」と思わせる味が楽しめるはず。

2日目は、朝ごはんの後、近江随一の古社である「多賀大社」を参拝。
古来、「お多賀さん」の名前で親しまれたきた土地の氏神様で、
能の幽玄のルーツである近江猿楽とも密接な関わりがあったことも知られています。

「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」
「伊勢にゃ七度、熊野へ三度、お多賀さまへは月参り」


そんな由緒ある社をお参りし、ご祈祷を受けた後、琵琶湖畔沿いに湖東から湖北エリアへ。
湖北の長浜港からクルーズで琵琶湖をゆっくり横断
クルーズでパワースポットとして知られる竹生島(ちくぶしま)へ向かい、
日本三弁財天の一つが鎮座する宝厳寺(西国札所三十番)竹生島神社を参拝します。

参拝後、竹生島から再びクルーズに乗り、琵琶湖をゆっくり横断して対岸の今津港へ。
ここからは湖西エリア、近江高島の一帯をめぐる小さな旅が始まります。

水辺の暮らしがいまも息づく湖岸ルートをたどりつつ、JR近江高島駅にほど近い大溝地区へ。
古くから城下町として栄えた大溝には、
昔ながらの城割、水路などが残り、酒蔵、麹屋などが立ち並びます。

今回は、駅にほど近いシェアスぺース「白湖(はこ)」にて、
琵琶湖を代表する食文化「ふなずし」の飯(いい)や酒粕を使った発酵ランチを堪能。

「美味しくて腸にも優しい、本物のふなずしを体験してほしい!」

という思いから、琵琶湖・近江発酵文化について学びつつ、
現地を代表する「喜多品老舗」の「四〇〇年鮒寿し」2種の食べ比べも行います。

ふなずしは、作り方によって味わいに大きな差があり、
通常の観光ツアーでは、発酵状態のいい本物を味わうにはなかなか難しい。。
ふなずし=臭いというわけではないのです。

今回のツアーでは、そのあたりをしっかりリサーチ!
他の食材、お酒、お土産品も含めて、地元の目利きの方から教えていただいた、
質の高いものだけを皆さんにご紹介します。

(僕自身、すべてリピートしたいものばかり。笑)

ランチのあとは大溝の水辺をゆっくり散歩したのち、
近江最古の神社、湖上に鳥居の浮かぶ白髭神社に立ち寄り、夕陽を眺め、
JR湖西線・近江高島駅で現地解散。

そのまま電車で1時間ほど揺られて京都駅に向かい、帰路につくのはもちろん、
延泊して、近江高島や、湖南の大津周辺などを、ゆっくりめぐるのもいいでしょう。

これまで繰り返しお伝えしてきたように、
大事なのは、いつもの日常を離れ、「空間に出る」こと。

意識は空間(地場)に影響され、時として一瞬で変容します。
しかも、その変化は感覚を共有することで、何倍にも広がり、日常も変えていく。。。

非日常の空間を共有し、遺伝子のスイッチを心地よい方向にオンしませんか?
琵琶湖をぐるっとめぐるゆっくりツアーで、実りの秋を一緒に体感していきましょう!

●ツアー概要
開催日:2022年10月21日(金)〜22日(土)
募集人数:8名様(現地発着型プラン)
ツアー代金:おひとり様・70000円(有料会員)/80000円(無料会員)
ツアー代金に含まれるもの:宿泊代金、日程表記載の食事代金、貸切送迎車・クルーズ代金、国内旅行保険、消費税
現地案内:辻信一(ナマケモノ倶楽部代表)、長沼敬憲(セルフメンテナンス協会理事)
集合場所: JR東海道線・彦根駅東口バスターミナル前(滋賀県県彦根市)
*JR米原駅(新幹線発着)で乗り換え5分ほど

●ツアー・スケジュール
1日目(10/21)
12:00 JR彦根駅東口・バスターミナル前集合
*米原駅から近江鉄道で3駅(田園地帯のなか、旅気分が味わえます)。
*ランチは済ませておいてください。
12:15 彦根城・城下町(夢京橋 キャッスル口一ド)散策(〜13:30)
*夢京橋あかり館(「淡海・妖怪展」)など見学。
14:30 「岡村本家」(近江の地酒「金亀」醸造元)を訪問
*湖東・豊郷町から、鈴鹿山系をのぞむ東近江エリアへ。
15:30 あいとうエコプラザ「菜の花館」(〜16:30)
*資源循環「菜の花エコプロジェクト」の現場見学。
17:00 あいとうふくしモール「野菜花」にて夕食(〜20:30)
*夕食後、辻さんを囲んでお話会&対話会。
21:00 「レイクランド彦根」にチェックイン

2日目(10/22)
07:00 朝食
08:15 レイクランド彦根出発
08:30 近江随一の古社「多賀大社」参拝
*境内にてご祈祷を受けます。
*湖岸ルートをたどって、湖東(彦根)から湖北(長浜)へ。
10:50 長浜港からクルーズで竹生島へ
11:20 竹生島着→宝厳寺、竹生島神社参拝(〜12:30)
13:00 今津港着
*湖岸ルートをたどりながら湖西、近江高島へ
14:00 シェアスペース「白湖」で発酵食ランチ
*琵琶湖の伝統食「ふなずし」2種の食べ比べなども。
*辻さんのお話・旅の総括。
15:30 大溝の水辺さんぽ&四〇〇年鮒寿し「喜多品老舗」立ち寄り
16:30 白髭神社参拝
17:20 JR湖西線・近江高島駅にて現地解散
*大津駅/京都駅までともに約60分。
*解散後、延泊を希望される方はご相談ください(ご予約は各自で)。
*悪天時の場合など、コース変更の可能性もあります。その点、ご了承ください。

●宿泊:
レイクランド彦根(滋賀県彦根市西今町62-2)

●お申し込み
info@selfmaintenance.org(セルフメンテナンス協会事務局)まで、お名前をご明記の上、お申込みください。
*有料会員の方はLINEにてご連絡ください。ともに事務局よりご案内します。


辻信一さんプロフィール
文化人類学者、環境=文化NGO「ナマケモノ倶楽部」代表、明治学院大学名誉教授。1952年生まれ、1977年北米に渡り、カナダ、アメリカの諸大学で哲学・文化人類学を学び、1988年米国コーネル大学で文化人類学博士号を取得。1992年より2020年まで明治学院大学国際学部教員として「文化とエコロジー」などの講座を担当。またアクティビストとして、「スローライフ」、「ハチドリのひとしずく」、「キャンドルナイト」、「しあわせの経済」などの社会ムーブメントの先頭に立つ。『スロー・イズ・ビューティフル』、『常世の舟を漕ぎて』など著書多数。映像作品に『アジアの叡智』(DVDブックシリーズ、現在8巻)など。最新刊は『「あいだ」の思想』(大月書店)、DVDブック「レイジーマン物語ータイの森で出会った“なまけ者”」(ゆっくり堂)。https://theslothclub.wixsite.com/tsuji

去年(2021年)の真鶴ツアーより

「喜多品老舗」HPより