「サンクチュアリが望む未来をつくりだす」

今回のテーマは、
「サンクチュアリが望む未来をつくりだす」
です。

今回はまず本の話から。

10代の終わりから繰り返し呼んできた本の一つに、
先年亡くなられた佐藤さとるさんのファンタジー、

「だれも知らない小さな国」

という作品があります。

最初は、物語の面白さに惹かれて読みはじめましたが。。。
何かふっと心に引っかかるものがあり、
折に触れて読み返すうちに、
自分が大事にしてきた感覚と重なり合うようになりました。

少しだけストーリーをお伝えすると。。。

主人公の「ぼく」は、子供の頃、
ひょんなことで見つけた秘密の小山で過ごすうちに、

この山に小人が住んでいるという言い伝えを耳にします。。。

一人ではなく、たくさんの小人族が、
人に隠れて暮らしているというイメージですね。
(物語では、コロボックルという種族として描いています)

で、あるとき、これもひょんなことから、
その小人とおぼしきいくつかの小さな影を
小山の川のほとりで目にします。

ほんの一瞬の出来事だったので、
もしかしたら何か見間違えただけかもしれない。

人に話したら、きっとそう言われるだろう。

でも、確かに見たんだと思い直し。。。
いつかまた、きっと自分の前に現れるに違いない。
そのときは慌てずに話しかけてみよう。。。

そんなふうに「ぼく」は心のなかで誓うわけです。

その後、別の町に引っ越し、進学して、
ついには戦争に巻き込まれ。。。
長い時間が過ぎていくなかで小山は遠い存在になり。。。

でも、成人した「ぼく」は再び小山を訪れ、
電気技師の仕事をしながら、
子供の頃の夢を叶えるべく、
ここに小さな小屋を建てて暮らすようになります。

そしてあるとき。。。そう、小人たちと「再会」するわけです。

これはあくまで寓話、ファンタジーですが。。。

自分にとって大事なもの、
でも、人には伝えようがなく、証明もできないもの。

それを心のなかでどう大事に育てていくか?

それが自分らしく、豊かな気持ちで生きていくうえで、
いかに大事なことなのか?

それを物語のかたちを借りて伝えてくれている気がします。

僕自身、自分のなかにつくった「小さな国」を

「サンクチュアリ」

と呼び、大事に育ててきました。
ただ、物語と少し違うのは、
そこに住んでいるのは、小人というよりも、

「未来の自分」

だったということ。

未来の自分? 小人が?

どういうことかというと。。。

サンクチュアリというのは、
わかりやすく言えば、治外法権のフリーゾーン、

この世界の制約をすべて取り払った空間。。。

そう呼べるものだとイメージしてください。

意識のなかにそういう空間をつくって、
そこに「こうありたい自分」を住まわせてきたわけですね。

意識の世界というのは、現実のベースになるものです。

意識があって現実がある。
その意識の世界で「思い」がつくられている。

思いはやがて形になる。芽が出て、花が咲き、実がなる。。。

サンクチュアリに住んでいる
「こうありたい自分」も、
自分の理解と経験によって成長し、
そのつど肉付け、更新されながら、やがて現実化していく。。。

ただ、注意したいのは、そこには、

「意識と現実の時間差」

があるということ。
何かを思ったからといって、すぐに形になるわけではない。
いや、それ以前に目の前に現れているものは、
じつは「過去の意識の結果」であったりするわけです。

ある時、このカラクリに気がついた僕は、

「現実を変えるのはやめよう」

密やかに、そう思うようになりました。

ちょっとわかりづらいかもしれませんが。。。
現れたものはもう「過去」なんですね。

過去(過ぎ去ったもの)を変えようとしても変えられない。
変えられないものを変えようとするから、
葛藤ばかり生まれて苦しくなる。。。

そうではなく、目の前に起きた現象にどんな意味があるのか?
どう受け止めたらいいのか?

つねにそこだけを問いかける。

絶対の答えなんてないし、何をどう思ってもいいわけですが、
基準になるのは、

自分にとって自由か? 不自由か? 快か? 不快か?

身体の声を聴くということ。
で、そこで受け止め、理解したことを現実に活かす?

いや、目の前の現実は「過去」なんだから、
何をどう理解しようが変えられるものではないわけで。。。
そこではただできることをする。

なるべく誠実に、丁寧に、着実に。。。

自分自身に問いかけ、何かに気づき、理解し、
その結果変わるものがあるとしたら、それは「未来の出来事」。

いつしか僕が心がけてきたのは、

日々の体験でためてきた

「理解の貯金」

をサンクチュアリの創造に投資していくということ。

自分は本当はどうなりたいのか?
何を食べ、何を着て、どこに、だれと住みたいのか?

「こうありたい自分」を磨いていくこと。

サンクチュアリ=治外法権のフリーゾーンは、
「未来の自分」をつくる想像の源泉。

想像は創造。

過去にとらわれず、常識に縛られず、
恐れや限界を取り払い、
思えたいように思える小さな王国をつくっていく。

その王国を、より自由な、解放された世界に変えていく。。。

だって、思うだけでいいのだから。
現実に活かす必要だって「ない」わけだから。。。

ただ大事なのは、リアリティ。

人生のなかで「理解の貯金」を積み立てていくことで、
漠然としていた「未来の自分」は、
だんだんとリアルに、揺るぎなく、嘘のないものに育っていきます。

そうやって見えないところで心に余裕が生まれてきたら、
あとは「現実がやってくる」のを
焦らずに、ゆっくり待てばいい。

自分が本当に必要だと感じていることなら、
それは必ずやってきます。
不安になって、すぐに手に入れたいと思っても、
グッと踏みとどまって、自分を取り巻く世界の動きを感じてみる。

前兆を感じとり、気配を感じ。。。

よし、と思たら動いてみる。
動いて感じて。。。そこで生まれる感動を
密やかな自信に変えていく。

それが、自分を信じるということ。

ハラを据えて、生きるということ。

その後、サンクチュアリの創造(想像)が、
コンディションに左右されることもわかってきました。

感情が不安定で、心が荒れていたら、
サンクチュアリなんて思い浮かべる余裕は出ないですから。。。

そう、ここにセルフメンテナンスがつながってくるわけです。

次回のメルマガは、今回の続編として、
「サンクチュアリで育てていきたいものって何?」 をテーマにお届けしたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
一緒にセルフメンテナンスをして豊かな人生を創りましょう。

セルフメンテナンス協会・メールマガジン2020/08/10配信)より転載

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