生きるリズムをどう取り戻すか?

おはようございます。
セルフメンテナンス協会の長沼敬憲です。

前回の続きということで、
「生きるリズムをどう取り戻すか?」について
書きつづっていきたいと思います。

まず、リズムとは何かという話からしていきましょう。
これまでたくさんのお医者さんを取材し、
様々なテーマの本をつくってきましたが、

「リズムが健康のカギを握っている」

ということを僕に明確に示してくれたのは、
当時、大阪豊中市の病院の院長をされていた、
佐古田三郎先生でした。

本って、いろいろな経緯で形になっていくんですが、
佐古田先生の場合、ある出版社から不意に、
「手伝ってもらえませんか?」と連絡があり。。。
ただ、ネットで調べても詳しい経歴が全然出てこない。笑

「ま、いっか」と思って大阪に出張して、じっくりお話を伺ったら、
予想を超えてすごく面白い先生だったという。。
(面白いというのは、もちろん賛辞の言葉です。笑)

神経内科を専門とされる佐古田先生は、
脳や神経、筋肉などに障害が生じ、思うように動かなくなる。。。
たとえば、パーキンソン病や多発性硬化症のような難病を扱っていたのですが、
通常、こういう病気って完治が難しいわけです。

投薬治療がメインだけれども、もちろんこれは対症療法。
ただまあ、他にやりようがない。。。
そんな難病患者の多い病院の総責任者のような立場にもかかわらず、
投薬以外の治療にずいぶん取り組んでおられました。

食事療法もその一つ。
他にも光を当てたり、睡眠をチェックしたり。。。
なんとなく大事そうなことはわかるけれど、
それがなぜパーキンソン病のような病気に??
僕の疑問に対して、先生はこう答えられました。

「食べる、寝る、呼吸する、光を浴びる。。。
生命を蘇生させるカギは日常にあるんですよ」

日常の当たり前の営みはすべて「リズム」で成り立っている。
なんらかの理由でそのリズムが崩れることで、
結果として病気が生み出される。。

だから、少しでも「元の状態」に近づけることが、治療の基本。
たとえばパーキンソン病という病気は、
症状が進むと筋肉が固まってしまって、どんどんと動きが不自由になる。
それって、リズムが失われた状態。。。

いや、大病を患っていないにしても、
現代人の多くはリズムを失ってしまっていませんか?

なぜか? 頭の中にある「都合」を優先させてしまうから。
いわく、忙しいから。
いわく、時間に間に合わないから。。。

もう一つ別の話をしましょう。

お茶の水女子大で栄養学を教えられていた、
近藤和雄先生の本をつくるべく、お話を伺っていた時のことです。

近藤先生は、栄養学のメインストリームで研究されてきた方で、
気をてらったことは基本的に言わないんですが、
ある実験をした時、「意外な事実」に出くわしたそうです。

それは中鎖脂肪酸(ココナッツ油)の健康効果を確かめるべく、
80名あまりの被験者を集め、3ヶ月にわたって、
かなり綿密な食事調査を行った時のこと。。。
なんと、中鎖脂肪酸をとらないグループも健康状態が十分改善されたというのです。

近藤先生いわく、

「間食をやめて、3食しっかり摂るだけで、
内臓脂肪、体重、体脂肪、ウエスト。。。すべての数値が改善されたんですよ」

厳しいカロリー制限しなくても、リズムを整えただけで、
人は十分に健康を回復できる。。。
逆に言えば、リズムが整っていなかったから、
いくら食事を見直しても、優れた健康法を実践しても、
なかなか身体って元気になれない。
どこかにひずみが生まれてしまう。。。

こうした健康とリズムの関わりについては、
時間医学と呼ばれる学問領域でコツコツ研究が進められ。。。
1990年代末、細胞一つ一つに時間を司る

「時計遺伝子」

が発見されることで一躍注目されるようになりました。
なんと僕たちの体は、細胞レベルで時間を認識していたのです。

たとえば、朝になると目が覚め、活動が始まり、
夜になって暗くなると眠くなる。。。
こうした「睡眠」と「覚醒」のリズムも、
いくつかの時計遺伝子によってセットされています。

それは僕たちが漠然とイメージしている、
過去、現在、未来と続いていく「直線的な時間」ではなく、
一定の周期性がある「円環する時間」。

円環する時間、つまりはリズム。

スマホに表示されるデジタルな時間から離れ、
この自然を支配している時間(リズム)にシフトチェンジする。。。
その一つが、単純明快、

「食べる時間をいつも一緒にする」

ということ。
え、それだけで体調が良くなる?
そう、僕自身も実感していますが、
病気や体調不良が改善する確率がグンと上がるようなのです。

いま、現代医学も栄養学も、
薬、治療、栄養素、カロリーといったものよりもっと根底にある、
「時間」に着目するようになってきています。
体のリズムに同調させたほうが治癒実績が上がることが、
いろいろな形でわかってきているのです。

実際、音楽やダンスなどを見ればわかりますが、
リズムを失ったら動きがぎこちなくなりますよね?
そもそも、楽しくない。心地よくない。。。

逆にリズミカルに動けたら心地はよく、ワクワクするでしょう?
元気に生きるカギは、このあたりにあるんです。

次回、ここに食事や腸の話をからめ、
リズムの本質についてもう少し考えてみましょう。
身体にいいものを食べているのに、どうも体調が良くない、
お通じが改善されない、肩こりがひどいetc…
もしかしたらその「理由」や「原因」にハッと気づけるかもしれません。

セルフメンテナンス協会・メールマガジン2020/06/15配信)より転載