「脱アドレナリン生活のすすめ」

今回のテーマは、 
「脱アドレナリン生活のすすめ」
です。

僕たちの身体は、様々な活性物質を分泌することで、
たえずバランスを整えています。

それはホメオスタシス(恒常性)と呼ばれていて、
免疫系、神経系、そして内分泌系。。。
この3つの働きのトライアングルで成り立っているわけですが。。。

最後の内分泌系。
ここに関わっているのがホルモンの働きです。

ホルモンバランスの崩れとか、脳内ホルモンとか、
言葉ばかりが一人歩きしていて、
ホルモンとは何か? ご存知ない人も多いかもしれません。

たとえば、今回の主役であるアドレナリン。

このホルモンは副腎から分泌され、
全身の細胞に運ばれることで、いったい何が起こるのか?
そう、カーッとテンションが上がるんですね。

テンションが上がる場面というのは、何かに立ち向かう時。

身体はどう反応するかというと、
心拍数が上がり、血圧や血糖も上がり、筋肉も収縮し。。。
そういう臨戦態勢に入りますね。

立ち向かうだけでなく、危機を感じて逃げ出す時もそう。
そのため、ちょっとダジャレみたいですが、

闘争(逃走)ホルモン

などと呼ばれることもあるわけです。

アドレナリンは身体全体を目覚めさせ、テンションを上げてくれますが、
じつはこの時、脳内でも似た現象が起こっています。

活動時に働く交感神経が優位になることで、
脳内ホルモンの一つであるノルアドレナリンが分泌され、
緊張が高まり、集中力が増すからです。

わかりやすく言うと、闘争(逃走)モードになった時、
身体中に分泌されるのがアドレナリン。
脳内で分泌されるのがノルアドレナリン。

いずれにしても、立ち向かう過程で不安や恐怖が湧いてきて、
心も体も緊張している状態でしょう。

目の前の不安や恐怖を乗り越えるため、
身体がエンジンをかけている状態と言ってもいいかもしれませんが、
ひとつ興味深い事実があります。

じつはノルアドレナリンとアドレナリン、
どちらも快楽ホルモンであるドーパミンが変化したものなのです。

ドーパミンはノルアドレナリンと同じ脳内ホルモンですが、
こちらは物事がうまくいって、
喜びが湧き上がってくる時に分泌されます。

つまり、快楽や喜びを生み出すドーパミンから
対極にあるノルアドレナリンがつくられ、
さらにノルアドレナリンからアドレナリンがつくられる。。。

・ドーパミン

・ノルアドレナリン

・アドレナリン

このあたり、ちょっと意味深な感じがしませんか?

こうしたホルモンは、
生物が進化する過程で生み出されたと言われています。

生物が多細胞化していった時、
細胞と細胞どうしをつなげる情報伝達の手段として
つくられるようになったわけですが、

生物にとっては「快」を伝えることがファーストステップ。

快は生きる意欲の源。

だからまずドーパミンがつくられ、
でも、それだけでは対処しきれなくなったため
ドーパミンをもとにノルアドレナリン、アドレナリンがつくられた。。。
(興味深いことに化学式はほとんど変わりません)

実際、ヒトはつねに快(心地よさ)を求めて生きていますよね?

本音では、なるべく苦しみは体験したくないと感じているはずですが、
人類の長い歴史を振り返ってみると、
不安や恐怖を感じる場面は山のようにあったわけで。。。

生き延びるために、本音を打ち消して、
頑張ることのほうに価値が見出されるようになっていった。

頑張らなくては快は得られない。。。
次第にそういう遺伝レベルの刷り込みが始まって、

頑張ることは尊いことだ。

という「価値の転倒」が起こっていった。。。

頑張ることが不要なわけではありませんが、
脳内のノルアドレナリンの分泌が過剰になると、
ドーパミンとのバランスが崩れ、
メンタルが不安定になることがわかっています。

ドーパミンとノルアドレナリンは、
脳内ホルモンの一つ、セロトニンによってバランス調整されています。

メンタルクリニックでは、
こうしたバランスの崩れを改善させるため、
薬を処方し、脳内のセロトニンの量を調整しようとするわけですが。。。

そもそも、過剰に頑張ることをやめる方向に舵を切れば、
ドーパミンとノルアドレナリンのバランスは自然と整っていきます。

アドレナリンの分泌もほどほどに調整され、
その影響は全身に伝わっていくでしょう。

そう、むやみに頑張らなくてもいい。

むやみに頑張ろうとしなくても、
ドーパミンは分泌され、心地よさは手に入るし、
そもそも僕たちの身体はすでに頑張ってくれているわけだから。

繰り返しますが、それがホメオスタシスと呼ばれています。

身体の頑張りに身を委ねること、
それは無駄な力みを除いていくことを意味するため、

「脱力」

と呼ばれています。
そう、脱力したほうが身体はより頑張れる。
その力を引き出すことなく、必要以上に恐れたり、不安がったり。。。

「脱アドレナリン生活」のすすめ

今回、そんなタイトルを使った意味が見えてきたでしょうか?

頑張りモードで自己を駆り立てていくと、
確かにテンションは上がり、ピンチは乗り切れるかもしれません。

でも、その分、炎症が増し、身体は傷ついていきます。
それをいつまで続けられるか。。。

ふと疑問を感じるようになった時、
それまでとは違った「力の使い方」が見えてきます。

次回のメルマガは、今回の内容をふまえつつ、
「ホルモンバランスをどう整えるか?」
をテーマにお届けしたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
一緒にセルフメンテナンスをして豊かな人生を創りましょう。

セルフメンテナンス協会・メールマガジン2020/8/31配信)より転載

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