ナマケモノこそが最高の働き者?
今回のテーマは、
「なまけ者こそが最高の働き者?」。
辻信一さんの『レイジーマン物語』の
オンライン上映会を開くことになりました。
(※9/9配信のメルマガより転載。上映会は終了しています)
レイジーマン、ナマケモノ。。いい響きですよね。笑
ただですね、油断してはならないのは、
世間が思い描いている額面通りの「なまけ者」とは、
ちょっと違うのではないかということ。
ここでふっと思い出すのは、学生時代に読んだ、
福岡正信さんの「わら一本の革命」という本にある次の一節。
「普通の考え方ですと、
ああしたらいいんじゃないか、
こうしたらいいんじゃないか、といって、
ありったけの技術を寄せ集めた農法こそ、
近代農法であり、最高の農法だと思っているのですが、
それでは忙しくなるばかりでしょう。
私はただひとすじに、何もしない農法を目ざした。
ああしなくてもいいのじゃないか、こうしなくてもいいのじゃないか、
という考え方、これを米麦作りとミカン作りに徹底的に応用した」
別のところでは、こんなふうにも語っています。
「普通行われている農業技術を一つ一つ否定していく。
一つ一つ削っていって、本当にやらなきゃならないものは、どれだけか、
という方向でやっていけば、百姓も楽になるだろうと、
楽農、惰農を目ざしてきました」
これって農業の話ではあるわけですが。。。
生き方全体につながってくることだと思いませんか?
いや、もっと言えば、意識の面に通じてくる話ですよね?
なぜなら、本当にすべきことはなんなのか、
それを突き詰め、余計なことを減らしていく、削っていく。。。
福岡さんは、そうしたプロセスを
「楽農」とか「惰農」と呼んでいるわけですから。
注意したいのは、「まったく何もしなくなった」わけではなく、
「本当に必要なことはしている」ということ。
でも、頑張らない方向に舵を切っているため、
はたから見たら「ナマケモノ」のように見えてしまう。。。
自分にとって必要なことを見極める、
それって、実際にはとても勇気がいることだし。。。
さらには、実際に「力を抜く」ことも必要になってくる。
たとえそれがわかっていたとしても、
怖いからつい力んでしまう。。。不安だから余計なことをする。。。
で、本来の動きができなくなる。
これって、スポーツ選手の動きを見ていても、よくわかりますよね?
力を抜け、リラックスしろと言われても、
いざ本番になると焦ってしまう、慌ててしまうわけで。。。
ナマケモノになることって、
じつは「ものすごく働ける状態」になること。。。
その意味で、「ものすごくクリエイティブな状態」であること。。。
要するに、「生きる極意」のように感じるんですね。
僕自身、若い頃からナマケモノを意識してきましたが。。。
同時に「なろうと思ってなれるものではないな」と、すぐにツッコミが入り。。。笑
「心地よく動けている状態」
のことを言うんだろうと、思い返したりしていました。
当時は、心の奥で問いかけているだけで、
そんな話を人にすることはありませんでしたが。。。
時代はここ10年ほどを振り返っても、かなり変わってきました。
いまや、ナマケモノが必要とされる時代。。。
おお、いよいよやってきたのかと、
日々、身の引き締まる思いでいるところです。笑
今回、ナマケモノの先達である辻信一さんのフィールドワーク、
文化人類学者としての研究の一端を、
を通じて、僕も楽しく学んでいきたいと思っています。
ナマケモノについての知恵をたくさんの人と一緒に学べるなんて、
本当に時代は変わってきたな〜。笑
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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*セルフメンテナンス協会・メールマガジン(2021/9/9配信)より転載
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